葬儀場設計の図面はいろいろありますが、例としてはスムーズな移動を心がけているものが多いとされています。
葬儀場では順番があるため、スムーズな移動が求められます。そのため葬儀場設計では、設計の段階から動線が意識されます。受付から葬儀、お清め、告別式などを式を行うときの動線だけではなく、数階建ての建物であれば階段やエレベーターでの動線も意識して作られます。
また、葬儀場は様々な宗教の人が利用する場所でもあるため、宗教色が出ないように設計することも重要だと考えられます。建物自体のデザインもシンプルにすることで葬儀場らしい厳かさを演出することができます。
内装のデザインとしては、シンプルなものだけではなく日本人らしい和を意識した空間づくりを行なっているケースも多いです。白を基調としたデザインだけではなく、日本古来の色や暖色や木の素材を取り入れることで優しい空間が作られます。
故人を見送る場所ですので、葬儀場を設計する際には悲しみに寄り添えるようなデザインであることが重要です。
葬儀場設計を行う上で非常に重要な要素の一つだといわれているのが、幅広い利用者が安心、安全に利用することができる構造を心がける必要があります。
特に葬儀場設計で求められるバリアフリー設計では、高齢者や障害者、車椅子の利用者がスムーズに葬儀施設内を移動することができる建築設計標準が国土交通省からも発表されています。
建築設計標準におけるチェックリストでは、施設内の廊下では表面は滑りにくい仕上げがされているか、階段または傾斜路の上端に近接する部分には点状ブロックの敷設が行われているかがポイントになります。
階段では手すりを設けているか、段は識別しやすくつまずきにくい造りになっているか、原則として主な階段を回り階段としていないかが求められます。
トイレに関しては車椅子使用者用のバリアフリー仕様になっているか、車椅子で移動しやすいように十分な空間が配置されているか、オストメイト対応など水洗器具を設けた便房を設けているかなども重要なポイントです。